各地の路面電車

 北海道シリーズを続けます。

 今回札幌に行く際、どうしても見たかったものに路面電車があります。2015年にループ化された路面電車。その際に、デュアルサイドリザベーション方式を採用したとのことですね。車道の両端を路面電車が走るタイプのやつです。見てきました。

 電停はこんな感じ。

 この方式で一番気になるのは、「交差点処理って上手くいくのかな」と言う点です。これは、1~2回乗っただけでは判断しにくい面がありますので、簡単には言えません。ただ、一本、動画を見てもらいましょう。拾い物の動画ですが、まあ、こんな感じです。

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 長い動画なので、気になった点のみ取り上げましょう。まず、最初の1分あたりで、いきなり路面電車がクラクション鳴らしています。左折しようとした車に対し、「危ないよ」と言っているものですが、これ、私が車の運転手なら、「そんなこと言われても…」と思ってしまうところです。車側からすると、きっと後続車がいるはずで、後ろから追突されまいと思ったら、早く左折したいところ。後続車も気をつけないといけないし、路面電車も気をつけないといけない。大変です。イメージとしては、右折レーンのない交差点で右折しようとするときのイメージに似ています。デュアルサイドリザベーションを採用しているところでは、右折も左折も大変、と言うことですね。

 また、3分45秒当たりで、トラックを横付けした運転手が、「危ない」とクラクション鳴らされています。まあ、危ないのは確かだけど、「じゃあ、荷物の出し入れどうするの」って思いますね。他にも、「タクシー拾うのどうするの?」とか、色々と大変そうです。

 ただ、それらの問題をクリアできれば、この方式、面白いと思います。以前広島でも、平和大通りに電車を走らせるという構想があった時、確かこの方式も検討されていたように思います。平和大通りは、構造がちょっと特殊なので、走らせる位置によっては、この方式でも問題ないような気がしますね。

 例えば、この側道部分に電車を走らせることを考えてみましょう。この緑地帯の幅があれば、本線から左折したい車も、左折して一旦停車してから、路面電車の通行を確認することが出来る。さっきの動画の1分で発生したようなトラブルは起きませんね。タクシー拾ったりするのは、本線まで出てやってくれ、ということにすれば、大きな問題はないような気がしますね。

 私は最近、平和大通り利活用のワークショップに参加する中で、「やはり平和大通りに何らかの交通網を整備することが必要だ。出来れば路面電車がふさわしい」と思うようになってきました。そのことはまた機会を変えて述べますが、もし、平和大通り路面電車を走らせることになったら、このデュアルサイドリザベーション方式で行けないものか、と思います。

 

 次に、ちょっと話はズレて、高知の路面電車。先日、日帰りで高知出張に行ったときに撮った写真です。ここは、広島と同様のセンターリザベーション。道路の真ん中を電車が走っています。

 

 広島の路面電車が、本来地下鉄や新交通システムで対応するべき大量輸送、あるいは中量輸送の役割まで全て担わされているのと違い、高知の路面電車はまさに「市民の足」みたいな感じでした。「ちょい乗り」いうイメージで、非常にかわいくて、まったりとした電車です。これが本来の路面電車の役割かな、広島の路面電車はちょっと無理しすぎかな、と感じました。

 そういえば、広電。駅前大橋線の工事が進んでいますね。駅前大橋の中央が撤去されています。ここまでやるのか、って感じです。

 ただ、ここまでやるなら、駅前大橋南詰交差点も、高架で通過してほしかった、と思います。路面電車の速達性向上の最大のポイントは交差点処理です。路面電車の信号待ちはなるべくなくしたいと思います。なぜ、ここを高架にしなかったのでしょうね…。もちろん、今更設計変更なんて無理でしょう。非常に残念です。

 

 最後、札幌、高知、広島、そして7月に東京に行って思ったこと。それは「やはりICカードは必要だぜ」ってことですね。特に路面電車のような、各都市で乗り方のルールも運賃も違う乗り物に乗った時、私はいつもドキドキします。「お金いつ払うんだろう…」「両替してくれるのだろうか…」などなど。こういう時に、全国で使えるICカードがあると非常に便利。「ICOCAがあれば、とりあえず何とかなる」って思えます。特に東京に行ったとき、周りのみんな(広島カントライメンバー)がスムースに地下鉄やバスに乗る様子を見て痛感しました。東京で乗り物に乗るたびに、みんなを待たせてしまうことになった私。それを機に、パスピー派からICOCO派に転換しました。

 ただ、これらの都市の中で、高知は、JRも、路面電車もICOCAが使えませんでした。なので、ドキドキしながら路面電車に乗ったのですが、こういうものは全国共通規格のものを整備した方が良いですね。国による整備で良いと思います。今のマイナンバーカードのように、「みんなが持って、みんなが使うのが当たり前」くらいのことをやってよいと思います。旅行や出張に行って、JRにしか乗らない人なんて稀でしょう。地域振興の観点からも、みんなが安心して都市内移動できるようなシステムを構築した方が良いでしょう。国主導で整備すればよいと思います。

 …そう言えば、広島って、こういうICカード廃止するんだったですね…。今後どうするんだろ…。スマホでピッ、とやるようになるのでしょうか。いずれにしても、市民を始め、全国の人が困らないようなシステムにしていただきたいものです。そこは、行政が費用負担しても構わないと思います。

 

 と言うことで、札幌の路面電車の話を発端に、交通あれこれでした。次回は札幌のまちづくりです。