広島駅近くのメガホスピタル構想。この構想で私が一番関心があるのは、そのメガホスピタルではなく、「宇品の県病院跡地がどうなるか」と言うことです。
病院機能がどれだけ移転するか分かりませんが、現県病院の機能が大幅に低下するのは間違いないところ。なので、これらの建物は、基本的にスカスカになるはずです。
ただ、私はこの病院を見ていつも思うのですが、この病院があと１０年足らずで取り壊されるとか、ちょっと想像できない。あのボロボロの県庁を耐震補強までして利用する広島県が、ここを「はい、用途廃止するから取り壊しましょう」と判断するのは、ちょっと想像できません。
実際、冷静に考えてもこのまま取り壊すのは勿体ないと思います。元々、病院はその性質上、一般の建物より厳しい制限の下で造られています。それを特殊建築物と言うのですが、このような大規模な病院はそのような特殊建築物の中でも特に厳しい制限がかけられているはずで、「耐火基準がどうだ～」とか、「避難経路の確保がああだ～」とか、「バリアフリーがこうだ～」とか、かなり厳しい基準をクリアしているはずです。（すいません。詳細までは調べていません）
逆に言うと、そんな厳しい基準で建てられている建物は、他の用途への転換は非常に容易なハズ。そんな建物を、「移転するから取り壊し」というのはいかにも勿体ないと思います。何か転用を考えるべきでしょう。
もう一つ、勿体ないと思うのはその立地です。隣に県立広島大学が立地しており、県病院の敷地と併せると広大な、まとまった県有地がここにあることになります。
せっかくのデルタ内のまとまった県有地です。ここはまとめて有効活用するべきでしょう。間違っても、民間に売却してこまごまとマンション等を建てるべき土地ではない。まとまった県有地は一体化させ、有効に使うことを考えるべきでしょう。
じゃあ、どうしたら良いのか。ここからは妄想ですが、私は「今の県立広島大学、叡啓大学、広島市立大学を全部まとめて「広島公立大学」とし、現県大キャンパスと合わせて、ここを本部キャンパスとしよう」と思います。
今年の春、大阪府立大学と大阪市立大学が合併して大阪公立大学となり、大きな話題となりました。将来的には、「京大、大阪大に次ぎ、神大と並ぶ、関西を代表する大学になるのではないか」と言われているそうです。
この大阪公立大学だけでなく、近年、大学の合併が色々と言われています。北海道では、小樽商科大学と帯広畜産大学、北見工業大学が経営統合し、東京では、東京工業大学と東京医科歯科大学が合併すると言われています。経営の合理化、研究の高度化、スケールメリットなどが目的なのでしょう。
一方の広島はどうか。広島はむしろ真逆の路線を進んでいる感があります。数年前にわざわざ新しい県立大学「叡啓大学」を開学させました。
正直、ここについては、広島県の方針がイマイチ理解できません。「文系の意識高い系の大学を造りたい」と言うことかもしれませんが、正直言って、この叡啓大学が受験生にとって魅力的な大学に映るとは思えない。そもそも、県外の人からすると「叡啓大学？ どこにあるの？？ まあ、どうでもいいや」で終わるのではないでしょうか？
この地方都市広島で、多くの受験生を集めようと思ったら、まずは目立つこと。大阪公立大学のように、「なんか巨大な公立大学があるらしいぜ」と思わせなければダメじゃないかと思います。
私の娘、今、関西の「産近甲龍」のうちのどこかの大学に通っていますが、受験の際、「広島市立や県立は考えないのか？ 地元の公立なら安上がりだし、この辺りの大学なら難易度もそこそこだし、良くないか？」と聞いてみたのですが、全く相手にしてもらえませんでした（笑）。「え～。県立とか、なんか～、地味（笑）」っていう回答（笑）。まあ、そりゃ、首都圏や関西の華やかな私大と比較すると、県立大学とか、地味ですよ（笑）。いくら、偏差値がそこそこ高くても、「地方の公立大で、学部も1キャンパスに一つしかない。キャンパスもこじんまりして、高校よりも小さい」とか、「折角の大学進学で、わざわざそんな大学選ばないじゃろ」みたいな感じです。
そんな中、広島の公立大学にも目を向けてもらおうと思うと、派手なことをするしかない、と思います。研究どうこうではない。難易度どうこうでもない。とにかく目立つこと。広島県立、広島市立の大学を全部統合し、宇品の１キャンパスにしましょう。そうすれば、「広島には、割と街中に割と大きな規模の公立大学があるらしいぜ。広島ならまあまあの都会だし、ここでの学生生活楽しいんじゃね？？」と受験生も思うようになるかもしれない。いや、そう思わせるような大学を造ること。それが、この県病院跡地をうまく活用すれば出来るような気がしますが、いかがでしょうか。
