PLACE@ツカノマテラス

 今、相生通りの三越向かい側で、#カミハチキテル3「ツカノマテラス」が実施されているのは、多くの人がご存知のことでしょう。

 

今週末、この「ツカノマテラス」に、「PLACE」の方々が来られました。

 …「PLACE? 誰それ??」って思いますよね。正直、私も知りませんでした。アメリカ・ポートランドで活躍されているランドスケープ・建築・都市設計事務所とのことです。

place.la

 私は、PLACEは知りませんでしたが、ポートランドぐらいは知っている。いや、行ったことも実際に見たこともありませんが、最近、都市計画・まちづくり界隈の講演会や勉強会では、もう、ことごとくポートランドが先行事例として取り上げられます。多分凄い街なのでしょう。で、そこで活躍されている都市計画系の事務所ということで、そりゃ、興味は持ちますよね。

 今回、そのPLACEの方々による講演会やワークショップが開催されるとのことなので、私も参加させてもらいました。

 まずは講演会。16日(金)に開催されたのですが、YOUTUBE配信があるとのことだったので、私はYOUTUBEで見させてもらいました。

www.youtube.com

(まだ見れます。関心がある方は是非見てみてください。2時間と、ちょっと長いですけど…)

 大まかに言うと、ポートランドを中心に、PLACEさんが手掛けられたプロジェクトの紹介、説明でした。興味深い事例も多かったのですが、正直、行ったことのない異国の都市の事例を見ても、なかなかストンと落とし込めないところがあります。仕方ないかな、もう少し自身で研究してから参加すればよかったかな、と思います。(私は、何事にしても、実際に見ないとなんかすっきりしないのです…。想像力が弱いのでしょう…)

 「それでは、そういうものを参考にしながら、広島の街のことを考えようぜ」と、17日(土)。カミハチ(紙屋町八丁堀)の未来を考えるワークショップに参加してきました。

 コーディネーター(?)としてPLACEの方々にご協力いただいてのワークショップ。「世界一流の事務所が仕切るワークショップでどんな感じなんだろう?」と思いながら参加させてもらったワークショップ。ワークショップの手法自体には、特別なものは特にありませんでしたが、言語の壁がありながらも、様々な人の意見をきちんと拾い上げ、それを基に議論を広げていくことが出来る、というのはさすがでしょう。私自身、このワークショップで、様々な人のカミハチに対する意見が聞けたこと、カミハチに対する意識が明らかに高くなって来ている人がいること、何よりも、たくさんの人がカミハチについて楽しそうに語っているのが素敵だと感じました。みんな、よりよいカミハチを創ろうとしている。そういう意識が共有できただけでも大満足です。

 

…ただ、ここから、少し辛口です。今回のワークショップに限らず、最近のまちづくりで語られるのはとにかく「ウォーカブル」であり、「歩行者優先」、「クルマ排除」、「歩行者天国」です。

 もちろん、私自身も、大きな流れとしてはその通りだと思うのですが、だからと言って、例えば、「相生通りはトランジットモール(パーク)化して車を締め出すべきだ」という主張などを見ると、「本当にそれが正解?? 間違いない??」と思ってしまいます。

 これは、2時間のワークショップで回答を導き出すのは難しい問題だと思いますが、カミハチはただの商店街ではない。中四国地方をけん引するビジネス街でもある。一刻一秒を争うビジネス街で、トランジットモールだとか、そんなのんびりしたようなこと言って良いのか? 経済活動の足かせにならないか? という想いはあります。

 要は「何でもかんでも歩行者優先とか言っていてよいの?」「ウォーカブルとか、なんか時代の流れに流されているだけじゃない?」という気持ちが、私の心の底に何となくこびりついていて、そこはもっとみんなと議論したいな、ということです。

 これは2時間のワークショップではちょっと無理でしょう。様々な立場の人の様々な意見を聞きたいものだと思います。

 あと、今回のワークショップについて、なんとなく話の流れで「カミハチにはこれがない」とか「あれがあるべきだ」みたいな話がたくさん出ました(うちのグループはね)。ただ、私からすると、「ないものねだり」ではなく、「あるもの探し」の議論ももっと必要かな、と思います。「カミハチにはアレがないからダメなんだ」ではなく、「カミハチにはこんなものがあるのに活かし切れていないね」というような議論。そういう議論をもっとしたいですね。例えば、うちのグループで、「夏は歩いていて暑すぎる。滝があれば涼しいのに」という意見が出ました。「荒唐無稽なことを…。でも、面白いね」とまとまりましたが、よく考えると、カミハチ、滝ありますよ。

(あと、確か、シャレオから県庁への出口にもあったような気がします)

 これは、私は確信しているのですが、カミハチは、今でも、様々な分野でかなり高いレベルのものを持っています。それらを再評価し、繋ぎ合わせるだけでも、かなり素敵な街が出来るはず。そういうものをもっと深めていきたいですね。

 

 という具合に、辛口意見も述べましたが、結論として、「それらも全部含めて#カミハチキテル」なのかな、と思います。

 #カミハチキテルのHPにはこう書いてあります。

kiteru.site

今回、カミハチキテル-HEART OF HIROSHIMA-では国際平和文化都市に呼応する都市の将来像として、被爆100年を迎える2045年の実現を目指しPrototype Cityという都市像を掲げました。

まず、手を動かしてprototype(試作品)を作って、どんどんまちに実装して、それぞれがそれぞれのprototypeをみんなで面白がって育ててゆく。
そんな空気が、新たなヒト・モノ・コトを引き付ける。

広島がすでに持っている文脈が世界中のprototype cityと繋がることで、そこで暮らす人の創造性が増し、結果的に、社会課題の解決につながってゆく。

 Prototype City(試作品の街)、いいじゃないですか。こうやって、一つづつ、素敵な街を創っていきましょう。今よりももっと素敵な街が、きっとできると思います。それが#カミハチキテルでしょう。この活動には、私自身、これからも関わり続けたいと思っています。プロトタイプを繰り返しながら、素敵な街を創っていく。その過程に、私が少しでもかかわることが出来るとするならば、そんな幸せなことはない、と私自身は思います。