呉ご当地キャラ祭というイベントに参加するため、呉に行ってきました。

ふなっしーも来てた)

 イベント自体は、まあ、参加者も多く、良かったのかなと思いますが、気にかかるのは呉市の今後ですね。戦前からの、典型的な重厚長大産業の街(あと、軍事的産業の街でもありますね)で、先日の日本製鉄工場の閉鎖でもわかるとおり、まあ、しんどい状況にある街です。

 正直、「ちょっと観光に力を入れたらどうにかなる」「ふなっしーを呼んで全国から人を集めれば何とかなる」というレベルではなく、どうにも打つ手がないような感じを受ける街です。

 セオリー通りに考えると、「これまで培ってきた技術をベースに、イノベーションを興す」というのが王道かと思いますが、先日の製鉄所の閉鎖でもわかるとおり、わざわざ老朽化した設備を維持して使い続ける企業も少なく、今後も大工場の閉鎖が続いてもおかしくないと思います。

 ただ、個人的には、こういう「ものづくり」で成長してきた街は好きではあります。特に呉は、海軍からの歴史を受け継いだ海上自衛隊、「戦艦大和」を造った施設がそのまま引き継がれている造船工場と、男っぽいロマンを感じる素敵な街です。何とか復興しないものか、と願わずにはいられません。

男のロマンを感じません?)

おまけ:呉で思い出した企業

 25年前、前職で呉に勤務していた私が、一つ、取引先で思い出に残っている企業があります。船の部品を造っていた中小企業でしたが、ある時、「コンピュータ事業部」なんてものを立ち上げました。

 「なんでコンピュータ?? 畑違いじゃない?」と思い、素直に当時の経営陣に聞いてみたところ、「私がこういう部門得意でね。社内のネットワークの構築や、専用のソフトの開発、従業員の研修などをしていたところ、周辺の企業から「是非、うちの会社のものも整備してほしい」という話を相次いでもらったんだ。ならいっそのこと、新規事業として立ち上げよう、ということだ」と説明を受けました。

 良いですよね。こういう話。既存企業によるイノベーションです。上述のとおり、簡単にはいかない話だとは思いますが、これまで培ってきた社内のインフラ、資本や、業種間のネットワークなどは、スタートアップ企業や新規創業などがなかなか持てない「強み」でしょう。その意味では、呉の再建は、これまで培ってきた製造業、特に地元に根を張ってやってきた中小企業にかかっているような気もしますね。