被服支廠が重文に!

 旧陸軍被服支廠が、国の重要文化財に指定されましたね。

 

 あれは5年ぐらい前だったでしょうか。「1棟のみ残して解体」という方針が固まりかけていたのは。そこからの大逆転です。素直に凄いな、と思います。

 正直、私自身、「全棟保存なんて無理だろ。無難なのは「1~2棟残して解体。解体した部分は、土地を民間に売却し、その売却費を残った棟の管理費、耐震補強費に充てる」と言う感じじゃないかな?」と内心思っていました。コンサルなどに検討させたら、多分そんな感じの話でまとめるはずです。その状況から、よくここまで持ってきたものだ、と思います。

 

(いつぞやの建築公開イベントにて)

 で、ここからは、利活用の話になっていきますね…。「ここをどう活用したらよいと思いますか?」と聞かれた時、正直、私は、「こうしたら良い」という案を出すことが出来ません。こまごまと、「アートの展示を行える場所に」とか、「カフェに」とかいう案は出せないことはないのですが、あの壮大なスケールを活かした「コレ!」というものが思いつかない。どうせなら、あの壮大なスケールを体現できる利活用が良い、というのは誰しもが思うことでしょう。県では、住民を交えたワークショップ等も開催し、利活用の方針を探ってきています。ぜひ、魅力的な活用を行ってもらいたいものだ、と思うし、私自身も、「まちづくり系の人間だ」と言いたいなら、ここで何とか関わっていくべきだろうな、と思います。

(呉、アレイからすこじま界隈の、旧海軍工廠を活用した事例。個人的には、こういう建物の中で、美味しいコーヒーを飲んだりすることが出来るだけで、とっても楽しいとは思う)

 

 いずれにしても、これからですね。ぜひ、楽しく関わっていきたいものだ、と思います。余談ですが、この被服支廠のキャッチコピーを考えてみました。

 

見た目はレンガ、中身はRC、その名は、旧陸軍被服支廠

 

 …すいません。名探偵コナン君の「見た目は子ども、頭脳は大人、…」のパクリです…。今、本業で、ある建物のキャッチコピーを考えているのですが、なかなかうまくいかないのですね…。さすが公務員。硬いコピーしか思いつきません。最終的なコピーが決まった際、「なんだこのコピー。如何にも役人が考えつきそうなダサいやつだな」と言われないよう、もう少し頑張って考えたいと思います…。

 

 もう一つ余談。「この被服支廠をもっと知りたい」と思った時、一番参考になるサイトはここかな、と思います(手前みそ的ですが)。見どころは「被爆建物」という視点だけではない。多くの人に、建物としての魅力を知っていただきたいと思います。