中央図書館の移転について

 中央図書館の移転を始めとした中央公園の再編について、様々な意見が出ています。私が前ブログで主張したのは、「出来れば図書館のような知の拠点は、都心にあるのが望ましい。ただ、市の財政状況もあり、もう、何でもかんでも新築の時代でもないので、駅前エールエールA館なら、ギリギリOKと考える」と言うものでした。

 その後、移転反対運動が大きくなっていきましたが、個人的には、非常に冷めた目で見ていました。と言うのも、「まちづくりや利用者の観点から移転させないで欲しい」という意見ではなく、違う視点からの反対運動が目立ったからです。明らかに政治的な駆け引きで反対の声を上げる者、自身の活動のPRに図書館移転問題を絡めたい者、いわゆる「反対のための反対」的な視点で移転に反対する者、などのオンパレードで、まちづくりの観点や、図書館利用者の視点は皆無。「どっち向いて反対の声上げているの? 図書館利用者のこと少しは考えている?」みたいなものが多く、まあ、普通に見ていて白けるようなものが大半でした。こちらのブログなんて、その代表でしょう。何が建築基準法だよ。何が図書館の建築基準を満たしていないだよ。それを言うなら特殊建築物なんて他にも色々あって、それら全てにそれぞれの建築基準があるんだよ。で、いずれもうまい具合にリノベで対応していっているんだよ。聞きかじりの中途半端な知識で勝手に自分の都合の良いような解釈してるんじゃねーよ。建築舐めてるのかよ、って感じです。

 なので、当初「出来れば図書館のような知の拠点は、都心にあるのが望ましい。ただ、市の財政状況もあり、もう、何でもかんでも新築の時代でもないので、駅前エールエールなら、ギリギリOKと考える」と考えていた私も、非常に白けて、「反対のための反対運動なんか知るもんか。さっさと駅前に移転してしまおうぜ」と考えるようになっていました。

 

 そして、「ブログで図書館移転について語ろう。反対派をぶっ潰そうぜ。よし、まずは久しぶりに中央図書館に行ってみよう」と思い、久しぶり(1年ぶり)に中央図書館に行きました。

 

 ブログの記事を書くときって、基本、書く前にある程度シミュレーションして、そして実際に取材して、記事の裏付けを持ってから正式に記事にする、というスタンスを私はとっています。

 今回の記事を書く前、私の中で事前にシミュレーションしていたのは、次の文言でした。

「今の図書館は森の中にあるような雰囲気で読書が楽しい? ハァ?? 図書館は中に入ったら本棚や壁ばかりで、「森の中にあるような雰囲気」って、あるわけないだろ! なんだったら、新図書館、壁画に森の絵でも描いてもらうか?それなら満足??」

「自然の中にある図書館で気持ちいい? ハァ?? お前ら、本借りて外の公園の木の下で本読んでいるとでも言うのかよ。俺、あの界隈よく自転車で通行するけど、木の下で本読んでいる人なんて見たことねーぞ」

 

 で、これらの裏付けが欲しくて、中央図書館に行ったのですが、これらシミュレーションが全て崩れてしまいました…。中央図書館って、館内からこんな風景が眺められるのですね。

 うん。これは確かに、森の中にあるような雰囲気あるわ。。。自然の中にいるわ。。。これは今まで気づいていなかった。あんまりこの図書館に通わないとは言え、年1回ぐらいのペースでは来ているこの図書館。その程度の訪問回数では気づかない魅力がこの図書館にはある、と言うことですね。これは気づいていなかった…。

 そして、利用者数も非常に多い。びっくりしたのが、1階の自習室。「今日、何かの試験でも行われているの?」っていうぐらいの利用状況で、全席満席。みなさん、受験勉強っぽいことをしていました。

 ここで、以前の#カミハチキテルでのワークショップでの、他の参加者からの意見を思い出しました。

「カミハチに、高校生や大学生のような若者が集まれる施設が欲しい。高校生や大学生は金持っていないから、高級レストランとかがあっても縁がない。タダで行けて、なおかつ刺激を受けることが出来るものが欲しい。長時間たむろ出来ればなおよい」

 

 …。今から振り返って思います。それって、もろに図書館じゃねーか…。

 

 今回、実際に中央図書館に訪問して、私は考え変わりました。この図書館、出来れば現在地に残したいですね。集客力あるし、「森の中にある」っていう雰囲気も最高。ここ、軽視してはいけないと思います。人口100万人を超える大都市のど真ん中に、これだけの豊かな森があるだなんて。そしてその中には図書館があるだなんて。これ、ちょっとやそっとじゃ他都市に真似は出来ないですよ。十分誇りに思って良いものです。シビックプライドです。

 

 政治的には到底応援できない移転反対運動ですが、政策的には移転反対と叫びたい図書館移転運動。個人的には、微妙なスタンスとなると思いますが、政治は別として、よりよいまちづくりのため、現在地での建て替えが実現すればよいなぁ、と、切に思います。今後の動向に注目したいと思います。

 

補足:本文中でも述べましたが、「政治的活動」と「政策的活動」というのは似て非なるものです。個人的には、なるべく政治的活動にはかかわらず、政策的活動に積極的にかかわっていきたいと思っています。