ひろしまゲートパーク オープン

 市民球場跡地に「ひろしまゲートパーク」がオープンしましたね。オープニングイベントが行われた先週と、さほど大きなイベントが行われなかった今週、行ってみました。

(オープニングイベントが行われた先週)

(今週)

 今回は、その訪れた2回の写真を織り交ぜて、この新しい公園を見ていきたいと思います。

 まずは、訪れた誰しもが気づくであろう、この軸線から。

 平和公園の、いわゆる「丹下ライン(平和の軸線)」を、グリーンアリーナ方面まで引っ張ったものですね。タイルの敷き方など、どことなく平和公園を思い出させるものですし、子どもたちがじゃぶじゃぶ遊んでいる池は、どことなく平和公園の「平和の池」を連想させるものになっています。

(どうせなら、もっと大きな池にしてくれても良かったようにも思います)

 「静」の平和公園に対して、「動」のこの公園。原爆ドームを一直線に眺めながらこの池で遊ぶ経験、子どもたちの脳裏に一生残るものになるのではないでしょうか。

 で、この池の周辺は、既存のこども文化科学館、SL、青少年センターなどと合わせ、新たに遊具なども設置され、子どもたちのプレイスポットのような感じになっています。

(なんか、これまで「球場裏にひっそりとあるもの」というイメージがあった文化科学館に、日の目があたるようになった感じを受けます)

 面白かったのが、なんか遊具が「地味」なこと。この滑り台とかもそうですが、地味です。

 普通、「人が集まる公園を作ろう」と思ったら、派手な遊具を作ろうと思うと思います。コトブキや、ボーネルンドが扱っていそうな派手な遊具を持ってきて、また、「延長〇〇mの巨大滑り台!」とかやると思います。が、そういう手法をとっていない。何か意図があってやっているのでしょうね。「ある程度大人っぽく、大人が楽しめる公園にしようとした」ということかな??

 

 そして、この子どものプレイスポットを抜けると、太田川の基町護岸と繋がります。いや、元々繋がっていたと思うのですが、今回の整備で、一層川が身近になった感じを受けます。おかしいですよね。堤の高さなど、物理的には何も変わっていないはずなのですが、何か身近になった感じがします。

 この護岸、今更ながら、良い空間ですね。公園と護岸を一体化させるのは、中村良夫氏がこの護岸デザインを手がけた時からの大きな課題でした。まだ物理的なバリアはあるものの、今回なんかかなり前進した感じを受けます。いや、つくづく良い空間ですよ。

(ひとつ誰かに教えてもらいたいのは、この護岸の利用方法。国の管理地のハズで、特にここで商売したりするのは、なかなか難しいと認識しているのですが。どういう整理がされて、利用可能となっているのでしょうね…)

 で、護岸から公園に戻ります。旧市民球場のスタンドを利用した休憩スペース

(目の前に「勝鯉の森」があるのがいいね)

 

スケボー場

 

大屋根ひろば

 

 と言う具合に、整備されたこの広場。「で、結局、見どころは何よ」と聞かれたら、「見どころは「人」よ」ということになると思います。広場自体に、そんなに特別な仕掛けがある訳ではない。特別に観光名所となるようなところがある訳でもない。ここで行われる人々の営み、活動自体が、この広場の目玉です。その意味では、この公園が成功するかどうかは、結局市民次第。さあ、ここで何するよ。ここでどう過ごすよ。そこからです。まちづくりって、そういうものだと思います。