広島空港アクセス第3のルート

 今年3月に東広島バイパスが全線開通し、山陽自動車道に次ぐ、広島空港への第2のアクセス道が整備されました。

 このバイパスと並行する形で、もう1本、割と使える空港アクセス道があるのをご存知でしょうか? 県道矢野安浦線+東広島呉道路のルートです。地図で表すとこんな感じです。

 一般道を通るからと言って、舐めちゃいけない。東広島呉道路という高規格道路は通るし、元有料道路である広島熊野道路、そして海田大橋広島高速を利用するというルートで、全体の7割程度(?)が自動車専用道路になるのではないでしょうか?

東広島呉道路。他にも、広島熊野道路など、立派な道路です)

 そして、県道矢野安浦線の部分も、地味に便利が良く、元々田舎道なので信号が少ないほか、熊野と黒瀬の間のぐにゃぐにゃ道(知る人ぞ知る、ラブホテルが立ち並ぶ辺り)がいつの間にか改修され、知らない間にトンネルが開通しているなど、かなり改善されています。

 また、最近では、矢野⇒海田大橋の乗り入れ部分が、高速道路のランプのような形態に改修されたのも記憶に新しいところです。

 こういうことを書くと、「広島は道路整備ばかりしている」とか言われるのですが、様々な制約で軌道系交通網の整備が出来ないのだから仕方ないですね。文句を言う前に、「今の状況で何が出来るか」を考えましょう。

 結局、空港アクセスについては、メインルート:山陽自動車道、サブルート:東広島バイパス、第3のルート:県道矢野安浦線+東広島呉道路 の3つのルートでよしとせざるを得ないのではないでしょうか。3ルートあることで、事故発生などの対応もそれなりに出来る。もう、これで満足するべきでしょう。

 「白市からJR線を延ばせ」とか、「そもそも空港を再移転させろ」とかいう主張も分からないことはないですが、まあ、無理ですよ。そうこう言っている間に、リニアが開通し、広島―東京間は3時間弱で結ばれる日が来ます。そうなれば、もう広島~東京間の移動は新幹線+リニアの一択です。広島空港から東京便を除くと、残り僅かな国内線と元々少ない国際線が残るだけ。そのためだけに空港移転とか、もうあり得ないですね。「広島空港? 遠いよ。じゃけ、滅多に使わんよ」と割り切るしかないのではないでしょうか。

 

 おまけで言うと、この近辺で最強の空港は福岡空港。これは誰もが認めるところですね。JR博多駅から地下鉄でわずか5分。聞くところによると、例えば東京から熊本に出張する場合、一番便利なのは博多まで航空機で言って、博多から新幹線で熊本に行くことなのだそうです。熊本空港のことは良く知りませんが、まあ、便数やアクセスを考えるとそうなるのでしょうね。

 

 同様の意味で凄いのが神戸空港。元々三宮から空港までポートライナーで20分の癖に、それでは足りないと新神戸まで地下鉄を走らせようとしているのだとか。凄い話です。岡山の人とかは、岡山空港に拘るより、神戸空港を有効に使うことを考えた方が良いのではないかと思います。

 神戸は元々、平野が狭いという弱点がある街ですが、これは言い換えると 平野が狭い⇒すぐそこに海がある⇒埋め立てにより広大な土地が確保できる と言うことになり、見事に利便性の高い空港が出来ました。広島も同様に、平野が狭い街なのですけどね…。どうしてこう、都市政策が違うのでしょう…。

 

 福岡空港神戸空港と言う、非常に利便性の高い2つの空港に挟まれる形となった広島空港。当初言われていた「中四国ハブ空港に」なんて夢は到底実現できないものになりましたね。中四国の人たちは、地元の空港を使うか、神戸や福岡を使う、というのが今後の流れでしょう。広島の私ですら、東京行き⇒新幹線に乗ろ。 海外行き⇒福岡から出ている便ある? という感じです。それを考えると、広島空港は、3本のアクセス道が出来たことでもう満足しないといけないのではないでしょうか。

(2016年、イタリアに行ったときに使った福岡空港。ここから香港を経由してヨーロッパに行ったんだったかな? まあ、広島空港とは全然規模が違う空港です。こういうのをハブ空港って言うのでしょうね)